Azusa from For Tracy Hyde has been interviewed by The Japan Times about his label Canata Records. Dai from Ano(t)raks is featured as well!
For Tracy Hydeの管がAno(t)raksの小笠原さんとともにThe Japan Timesのインタビューを受けました。Canata Recordsやバンドについてあれこれお話したのでぜひご一読ください。
Link: Netlabels Ano(t)raks and Canata Records give the old DIY spirit a go with some new tools
記事の日本語訳はこちら。
ネット・レーベルのAno(t)raksとCanata Records、新しい道具で昔のDIY精神に挑戦
パトリック・サン・ミシェル
小笠原大の駆け出しのオンライン・レーベルAno(t)raksは、今夏から現在までに6組の関西出身のアーティストの音楽をリリースしている。ところが、青森県在住の小笠原は、まだそのどれとも面識がない。
「関西には、Candy Eyesというバンドで演奏してた90年代に行ったことがあるよ」彼は東京の繁華街の渋谷にあるカフェで本紙にそう語り、それ以来関西を訪ねたことはないとつけ加える。「僕がアーティストと出会うのは音楽共有サイトのSoundCloudやTwitterでフォローされたときなんだ」
小笠原のネット・レーベルであるAno(t)raksは、今年の日本のインディ・ポップの盛り上がりに貢献した一握りのレーベルのひとつだ。それらのネット・レーベルは音楽をリリースするという点では古来のレコード・レーベルに似ているが、それ以外の店舗への流通や大規模なプロモーションといった役割は果たさない。バンドたちはBandcampやSoundCloudといったサイトを用いて音楽をインターネットに載せることができるが、あまりにミュージシャンが多すぎて、ファンはその群れを切り抜けて探すことができない。Ano(t)raksのような中枢はキュレーターに近い機能を果たし、最上のアーティストたちが必要な注目を確実に浴びられるようにしている。
インディ・ポップ(あるいはトゥイー)は最初に80年代のイギリスで人気を得たメロディアスな音楽の種類を指す。このジャンルの最初期の出現は、正式な音楽の教練を欠いたバンドによるDIYリリースから構成されていた——彼らはその精神をパンクから取り入れたが、反乱は忌避し、代わりに恋愛とキャンディを題材にした愛らしい歌を好んだ。このギター中心のサウンドはイギリスのSarah RecordsやアメリカのK Recordsといったレーベルに定義づけられ、90年代以降の日本のライブハウスでその人気を確立した。
現在のネット・レーベルにできるのはこれらのバンドをライブハウスから連れ出し世界中の人々のステレオへ導くことである――ファンが彼らを見つけられれば。
Twangy Twangy名義で楽曲制作も行なう小笠原は、Bandcampを通じてThe PaellasやPost Modern Teamといった大阪を拠点にしたバンドと出会い、2組とも彼と組んでリリースをすることに前向きだったと語る。
「僕らの音楽のスタイルにはちょっと差があると感じたから、Ano(t)raksを設立することにしたんだ」と彼は言う。「シーンをつくるのはいいことだよ」
小笠原は彼一人でお金を一切かけずにレーベルを組み立てられたこともその一助となったと言う。
Ano(t)raks(イギリスのインディ・ポップ・アーティストと頻繁に結びつけられる衣類を指す単語である「アノラック」にかけた言葉遊びだ)は7月1日に発足し、最初のオンライン・リリースはどちらかといえばアップテンポなThe PaellasのEPとなった。9月にレーベルは日本全国の若いインディ・ポップ・バンドをフィーチャーした「Soon」というコンピレーションをリリースした。Post Modern Teamのフック中心のロックから、よりファジーな京都のHomecomingsの楽曲や、名古屋のOld Lacy Bedのキュートなポップまで飛ぶこのコンピは、いまだにシーンを切り取った最良の一コマのひとつだ。
「このリリース以降、いくつかのバンドはライブをする機会を得はじめたから、シーンを次の段階へ導く助けになったね」と小笠原は言う。「Soon」は海外の音楽ブログからも注目を受け、その後フランスのポスト・ロック・レーベルが今年の暮れか2013年上旬にヨーロッパでLPとしてリリースすることに関心を示した、とも彼は話す。(本件は未確定のため、小笠原はどのレーベルが関心を示しているのかは明言できなかった)
しかし、日本のインディ・ポップを国内や海外に広めているのはAno(t)raksだけではない。今年のもっと早い時期には東京のバンドMoscow Clubが16組の宅録アーティストをフィーチャーした「C86 JPN」という無料ダウンロード・コンピレーションを編纂した。WallflowerやJuvenile Juvenile、Kensei Ogataといったアーティストもネット・レーベル経路をたどり、全国の様々な小規模なレーベルから作品を出している。
東京のCanata Recordsは、小笠原がAno(t)raksを設立するに当たってアドバイスを求めた人物でもある管梓によって運営されているネット・レーベルだ。彼は昨年11月に東京のインディ・ポップ・バンドBoyishのボーカルとともにこのレーベルを立ち上げた。「Village Vanguardのバイヤー」とだけ触れられた人物との対話のあとのことである。
「彼はじきに『サード・サマー・オブ・ラブ』が起こると強く信じていたんだ」管はこう続ける。「そしてそれは日本のインディ・ミュージックとアニメ文化にも影響を受けるんだ」バイヤー氏はこれが日本でのより大規模なインディ・ポップ・リバイバルに繋がると信じていた。管と岩澤はそのアイディアに添い、従ってCanata Recordsのいくつかのリリースはミュージシャンたちが愛好するアニメ作品からのサンプルをフィーチャーしている。レーベルの初期のリリースはVocaloidとより伝統的なインディ・ポップの要素を組み合わせて独自のスタイルを作り上げたMane LaunderingやThe Hatsune Mikusといったアーティストによるものだ。
だが、アニメのサンプルも含まれているとはいえ、Canata Recordsのリリースの大部分はAno(t)raksと同じく、古典的なインディ・ポップ・サウンド寄りだ。管は現在For Tracy Hydeという新たなプロジェクトを立ち上げたところだ。このバンドは一聴した限りではノスタルジアを奉じ、過去のサウンドにさかのぼる日本のインディ・ポップの教科書的な一例に聴こえる。しかし、現行のインディ・ポップ・グループの大半とは違い、For Tracy Hydeの音楽はすべて日本語で歌われている。
「どうもこれといった理由もなく英語で歌っているバンドが多いように思えるんだよね」と管は言う。「正しく読み書きできないのに英語で歌う意味があるとは思えないんだ」
管は自身の音楽においては多様性も重視しており、最近アップロードされたFor Tracy HydeのデビューEP「Juniper And Lamplight」の収録曲の一部がエレクトロニックな方向へ進んでいるのはそれが理由だ。
「僕はチルウェーブを聴くのにたくさん時間を使っているし、最近は日本の古いテレビ番組やCMをサンプリングしたヴェイパーウェーブを掘り下げている」と管は語る。「僕はうちのレーベルがジャンルレスであって欲しいとずっと思ってるんだ。実のところ、もっとエレクトロニックな作品が増えてもいいと思っているよ」
ジャンルやスタイルに関わりなく、管と小笠原はバンドたちに普通なら得られないような露出を与えている。Bandcampなどの発表の場を利用することで、メジャー・レーベルには無視されるグループたちが楽曲を共有する手段を得た――しかも音楽愛好家は小額ないし無料で大勢の新人アーティストにアクセスできるのだ。
(Translation: For Tracy Hyde 管梓)
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